[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
こんにちは、弁理士の宮﨑浩充です。
特許調査とパテントマップ作成の実務
東智朗・星野裕司(共著)
オーム社
特許調査を行うとき、検索式の立て方って事務所毎に違っているなぁという印象を以前から持っていました。 そこで調査の進め方について多くのパターンを持っていた方が、漏れなく調査ができるのではと思い、標記の書籍を図書館で借りて研究しました。
著者のお二人は同業の方であり、しかも調査については相当に精通されている様子。 具体的な内容については述べませんが、調査を行うステージに応じて(他社動向調査、無効調査、開発方針策定のための調査など)検索式の立て方、報告書の作り方、マップの作り方など実にきめ細やかに解説されています。
出版されたのが平成23年ですので、当然ながら特許電子図書館(IPDL)を用いた調査であり、IPDLの後継であるJ Plat Patを用いた調査の解説ではありません。 しかし、J Plat Patを用いた調査にも十分適用できるものであり、IPDLが廃止されたとはいえ、この本の価値は少しも下がっていないと思います。
特許調査は、とにかく時間を使って多くの文献に目を通すという側面がありますが、調査目的の把握、調査方針の定立、技術的特徴に対する切り込み方など、知識と経験に加え、多角的にモノを考えているかが問われる業務だと思います。
特許調査ビギナーから上級者まで、調査に関する新たなヒントを得ることができると思います。
余談ですが、今年の上半期にはJ Plat Patがサイバー攻撃により一週間ダウンし、大変な目にあいました。 有料のデータベースなどを利用できる状態にしておき、普段から「備えあれば憂いなし」にしたいものです。