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こんにちは、弁理士の宮﨑浩充です。
となりの革命農家
黒野 伸一 著
(廣済堂出版)
2015年出版の小説です。
私は、何人か好きな小説家があり、それらの小説家の著書を全て読もうとする傾向があります。
この作者も私の好きな小説家の一人です。
NHKでドラマ化された限界集落株式会社の作者です。
農家を舞台にした小説ではありますが、まるで経済小説を読んでいるかのような錯覚に陥ることがあります。
それは、農業という産業を「経営」するという視点から読み解き、そこに人間ドラマを散りばめて所定の結論に導いていくという書き方がされているからだと思っています。
そして、物語が進むに連れて論理的な展開があるのですね。
仮説→実行→失敗→検証→実行という流れがあり、なぜ失敗だったのか(なぜ成功したのか)を、技術の点から検証したり、経済原則の点から検証したり、読む者に実に説得的な物語の進められ方がなされているのです。
この作者の作品については、まだ全てを読んだわけではありません。
ただ、これまで読んだ他の物語と合わせると、作者のパターンのようなものが見えてきます。読者の支持を集めるだろうなという感じのパターンです。
そういうことをアレコレ一人で邪推するのもまた、小説を読む楽しみの一つです。