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こんにちは、弁理士の宮﨑浩充です。
ベスト・エッセイ
日本文藝家協会 編
(光村図書)
毎年出版されているベスト・エッセイの2015年版を読みました。
小説家、劇作家、詩人、医師、研究者など、様々なジャンルで活躍されている方々が新聞や雑誌などに寄稿したエッセイの中から、編集委員により選択されたものが掲載されています。
とりとめのない日常のことやニュース、さらには世の中の深淵に迫るものまで、ほんとうに色々なエッセイが詰め込まれており、飽きることなく一気に読んでしまいました。肩の力を抜いて気楽に読めるものから大いに考えさせられるものまで盛り込まれているため、楽しみ方も色々です。
そして、さすがにベストエッセイです。上記のように話題も論調も様々ではありますが、各寄稿者が持っている「ものの見方」には、やはり光り輝くような冴えがあるように思います。とりとめのない日常の出来事を書くところから始まるエッセイであれ、寄稿者の視点を通じて描かれる物語の中には、センスというのか才能というのか分かりませんが、読者に「ほー、なるほど」と言わしめる何かが盛り込まれています。
文章は、それを書く者の能力の程度を明らかにします。当然のことですが、それは怖いことでもあります。こうしてここに書いている私の能力も、読む人に対してさらけ出されるのですから。
このエッセイ集の帯には、編集委員の一人である藤沢周氏の文が書かれています。
(以下、引用)
渋み、深み、洒脱、コク・・・・。
紅顔の美文も、老練の達文も、
いい顔したエッセイは、
生きる喜びを教えてくれる。
珠玉の味わいを
また一篇、さらに一篇。
(引用終わり)
まったくそのとおりのエッセイ集でした。