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こんにちは、弁理士の宮﨑浩充です。
女性が活躍する会社
大久保幸夫、石原直子(著)
(日本経済新聞出版社)
最近の流行りに乗っかってみたように見えますが、そうではありません。
私は商工会議所に加入しており、その中のとある委員会に所属しています。この委員会が今年、「雇用」をテーマにして様々な研究や議論を行うことになるため、様々な参考書を読んでいるところです。
女性の会社における活用というのは、何も今に始まるものではありません。
その昔、男女雇用機会均等法ができた頃に始まり、平成不況、リーマンショックなど、その時々に応じて浮上していた問題です。
今回も、少子高齢化という現状における一つの打開策として、官民ともどもこのテーマについて大いに議論しているようです。
この本、たいへん面白い本ですが、特に良かったのは、問題点に素直に切り込んでいったところです。
このような記述があります。
企業の採用担当者たちの共通の意見として、「採用段階で能力だけに着目して採用するならば、新人は女性が圧倒的多数になってしまう。」といわれている。それほど女性の方が男性よりも優秀な人が多い。にもかかわらず、管理職は男性が圧倒的に多くなるのは、新人から管理職になるまでの過程で、結果的に男性にとって有利な状況ができているからである。
20代の頃を思い出してみても、自分より優秀な女子の多かったこと多かったこと・・・。
この本は、その当然の現実を着実に踏まえた上で、問題点を指摘し、そして優秀な女性が管理職、経営者に進めるような仕組みを作るヒントを示しています。
私のいる業界においても、女性弁理士が皆優秀であるとまでは思いませんが、優秀な弁理士を集めたら、おそらく男性より女性の方が多いでしょう。
洞察力、分析力、他人と協力して仕事を進める能力、精神力、さらには謙虚さなどにおいて、女性弁理士は男性弁理士に比べて勝っていると思います。
弁理士は自由度が割と高い職業なので、女性弁理士は結婚、出産等を経ても継続して仕事を続けられますが、企業の場合には難しい状況があるのでしょう。
この本で示された仕組みが全て正解であるとは思いませんが、納得できることが多かったように思います。大胆な発想の転換が求められているように思います。