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こんにちは、弁理士の宮﨑浩充です。
日本農業の動き
点検 食料自給力
農政ジャーナリストの会 編
前回、農業に関する本を取り上げたので、ついでにもう一つ農業に関する本を取り上げてみましょう。
この本では、農業に関するテーマのうち食料の自給率の問題を扱っています。
自給率の計算手法は複数あります。詳しくは農林水産省のウェブサイトを参照して下さい。 一日一人当たりの国産食料から摂取されるカロリーを総摂取カロリーで割ることにより算出されるカロリーベースの自給率を見ても、ここ20年くらいは40パーセントのあたりを前後しており、相当低い水準です。
危機を煽るわけではありませんが、必要な食料のうち60パーセントを輸入に頼らなければならない状況というのは、安全保障上いかがなものかと思います。
食料の自給率を上げるためには、国内の農産物の生産量を増やさねばならないのは当然です。
この本では、大学や企業の専門家による様々な提言が盛り込まれています。
全体的な論調としては、農家(個人や農業法人)は他の産業分野において用いられる経営手法や技術を取り入れ、効率的に農業経営を行うべきであり、企業もまた積極的に生産・流通の場面に介入していくべきという流れです。
なるほどと納得させられる点もたくさんありました。さすがは専門家たちだとも思いました。
ただ、個人的には腑に落ちない点もありました。
それは、生産された農産物の流通市場についての話です。
高い品質管理が行われている日本産の農産物は海外で人気が高いため、販路として海外市場を目指すという話が出てきます。
腑に落ちないのはここです。輸出向けの農産物をいくら作っても、自給率は上がらないんじゃないの?と単純な私は思ってしまいます。
国内では消費しきれないため、余剰生産物の市場を求めて外国に進出するというのなら分かります。でも、上記のような自給率です。余剰など有るはずもないでしょう。
自給率を上げる話から、どうやったら国内産の農産物を輸出する話につながるのか、私には分かりませんでした。
私自身がもっと多面的に農業が置かれている状況を眺め、理解していく必要があるのでしょう。
農業の専門家ではありませんが、これからも農業を巡る政策や議論の動向に関心を持ち、見守ろうと思います。