[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
こんにちは、弁理士の宮﨑浩充です。
地場・伝統産業のプレミアムブランド戦略
長沢 伸也 編著
(同友館)
この本は、早稲田大学ビジネススクールでブランド論を研究する先生の書かれた本です。
ブランド戦略という言葉は、今ではホントによく聞く言葉です。そして、この分野も相当に研究が進んでいるのでしょう。大体同じようなことが書かれていたり、セミナーで話されていたりします。
では、この本も同じかというと、そうでもありません。
著者の先生は、経営と工学の専門知識を有しているようで、技術にたいへん明るい方です。
つまり、ブランド化に成功する企業の技術的側面についても、的確に分析されているのです。
この点が大事なのだと私は思います。
卓越した技術や製品がまずあって、いつしかそれらはブランドというオーラのようなものを纏うようになるのだと考えています。
ですから、イメージやプロモーションだとか、デザインや商標などの側面のみから語られるブランド戦略というのは、非常に薄っぺらく見えます。
実体には触れずにオーラだけを語っても、何か上滑りしている感じになってしまいます。
上記の本で登場する企業は、有名企業ばかりではありません。タイトルのとおりローカルな企業です。
しかし、確実にコアな技術を有し、オーラを纏うに至った企業ばかりです。
読んでいて面白いのは、技術がブランドを成長させ、ブランドの成長がさらなる技術の発展を促すというプロセスが企業の中に形成されてくることです。
やはりこれらは不可分の関係にあるのですね。
そして、技術や製品がブランドのオーラを纏うに至る物語の形成過程には、非常に工夫がなされています。
それがブランド戦略の肝なのかなと私は思いました。
本の内容については書きませんので、何のことかサッパリだと思います。
一読をお奨めしたい本の一つです。