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こんにちは、弁理士の宮﨑浩充です。
エンタテインメント企業に学ぶ競争優位の戦略
丸山一彦 著
(創成社)
この本は、エンタテインメント業界の雄たるジャニーズ事務所、そしてジャニー喜多川氏を題材として、競争に勝つ企業が備えている特性を分析しています。
本の前半では、ジャニーズ事務所の発展の歴史、そして、ジャニーズ事務所に所属するアーティスト達の特性を示し、後半では、これらを前提として、いわゆる超優良企業と呼ばれる企業や老舗企業などの研究から抽出される特性が企業としてのジャニーズ事務所に備わっていることを検証しています。
私はビジュアル的にジャニーズ系とは程遠く、またジャニーズアイドル(ジャニーズ事務所では所属するタレントを「アーティスト」と呼ぶそうです。以下、この用法に従います)に特に興味もありません。
では、なぜこの本を読んだのか?
それは、著者が冒頭で述べているように、エンタテインメント企業が生み出すタレントは、目には見えない「無形の価値」を備えており、この「無形の価値」が人を楽しませ、人をもてなし、顧客を惹きつけるからです。
私も知的財産権という無体の財産権を扱う職業です。技術やブランドとは異なる「無形の価値」というものに興味を持ったのです。
内容については述べませんが、ジャニーズのアーティストにはそれぞれコンセプト(個性)があり、それらは「ワイルドセクシー系」であったり、あるいは「面白かっこいい系」であったり、顧客である女性の求めるアイドル像を徹底的に研究した上で付与されているようです。
また、現在のジャニーズのアーティストは最初にジャニーズJrに入り、ダンスと歌を徹底的に鍛えられるそうです。歌って踊れるアイドルであることが基本であり、これを充たすまでに成長して初めてメジャーデビューに進みます。
ルックスもさることながら、基本をしっかり身につけた上で、かつ女性を惹きつける個性を備えたアーティスト達です。人気があるのも当然ですね。
うらやましがっていても仕方がないですが、このようなジャニーズアーティスト達を長きにわたって生み出し続けているジャニーズ事務所を題材としてマーケティングを学ぶ契機となる本でした。
いつしか私も、これを楽しみ、惹きつけられていました。